トランスサイレチン型心アミロイドーシスの検査・診断
トランスサイレチン型心アミロイドーシスの診断には、さまざまな検査が行われます。採血検査や心エコー検査、心臓MRI検査などでトランスサイレチン型心アミロイドーシスの疑いがあれば、生検や遺伝学的検査などを追加で実施して、診断が確定します。
採血検査
血液中の心筋トロポニン(心筋障害のマーカー)やナトリウム利尿ペプチド(心不全のマーカー)などの量が増加していないかを調べます。
心電図検査
心臓のリズムや心筋の異常の有無を確認します。患者さんのからだへの負担が少なく、簡便な検査なので、トランスサイレチン型心アミロイドーシスの診断の入り口になることも少なくありません。
心臓超音波検査(心エコー検査)
心臓の構造や機能を観察する検査です。心臓の形や大きさ、壁の厚さ、動き、血流の流れなどを調べます。
心臓MRI検査
心臓の形や機能、心臓へのアミロイドの沈着、心筋のダメージなどを確認します。
核医学検査
静脈注射で微量の放射線を出す薬を投与し、専用のカメラで、心臓へのアミロイドの沈着の有無や程度を調べます。この画像をシンチグラフィあるいはシンチグラムといいます。
生検
病変の一部を切りとって、顕微鏡で心臓あるいは消化管などへのアミロイドの沈着を調べます。
遺伝学的検査
遺伝性の病気を発症していないご家族が、病気の原因となる遺伝子の変異があるかどうかを調べる検査です。通常、血液の中にある細胞の遺伝子を調べます。
日本循環器学会、2020年版 心アミロイドーシス診療ガイドライン、p.24-49、2020
https://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/uploads/2020/02/JCS2020_Kitaoka.pdf
日本核医学会 他 編. 核医学紹介シリーズ7 骨、2002